『フルーツバスケット』語り

各々が、卒業後の進路で迷う。
十二支の彼らの苦悩は、一般人の比ではない。
その中で、透は就職という進路を定め続ける。
しかし夾は言う。
「ホントは将来とか 不安に思ったりもしてんだろうが」
そんなことはない、言いながら、けれど涙がこみ上げる。
言い得ぬ不安に襲われる透に、紫呉が明るく声をかけた。

 

「たとえば透くんが、山のような
 身動きがとれないほどの洗濯物に囲まれてしまったとしましょう?
 しかも、一枚一枚手で洗わなくちゃいけない。透くんは途方に暮れる。
 本当に全部洗濯できるかな。 キレイにできるかな。
 満足のいく結果を自分はちゃんと出せるのかな。
 考える度不安になってくる。けれど時間は刻々と過ぎていく。
 さて 透君はどうするべきか。

 とりあえず足許にあるものから洗濯してみるといいかもね
 先を気にするのも大切だけど
 先ばかり見てると足許の洗濯物に足が絡まって転んじゃうでしょう?
 “今”や“今日”何ができるか考えるのも大切。
 そうやって一枚一枚洗っていけば
 なんだかあっけないくらいにアッサリと
 お天道様がのぞいていたりするものだから。
 不安はそれでもこみあげてきたりするけど
 そういう時はちょっと一休みするんだよ」

 

フルーツバスケット/48話より


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通称そうめん話。


先ばっかり見てると、どうしても不安が落ちてくる。
決めたはずなのに、ぼろぼろと落ちてくる。
どうしようって。できるかなって。
落ちてきたもので、先が見えなくなる。

そういう時は、思い出す。
そうめん。そうめん。
足許から一歩ずつ。できることからひとつずつ。
階段を一段一段。
必至になって、夢中になって、
そうしてると、先が見えてくる。
新しい道が見えてくる。