フルバ語り

「疑うよりは信じなさいって お母さんが言ってました

 人は良心を持って生まれてこないんだよって

 生まれながらに持ってるのは

 食欲とか物欲とかそういう欲だけなんですって

 良心は体が成長するのと同じで

 自分の中で育てていく心なんだ…って

 だから人によって良心の形は違うんだ…って」

 

「透は信じてあげな

 疑うなんて誰にでもできる簡単なことだし

 透は信じてあげられる子になりな

 それはきっと 誰かの力になる」

 

第四話より、一部抜粋

 

優しい、というものは、他己評価にすぎない。

自分が優しいと思っても、誰かにとってそれは優しさではない。

というのが、最近の私の持論。

 

たぶんそれは、こういうことなんだと思う。

 

まるだったり、とんがっていたりする、人それぞれの優しさ。

受け取る人が、これが優しさだと認めなければ、それはその人にとって優しさではなくなってしまう。

どちらが悪いという話ではなく、人によって優しさが違うからだ。

 

透は信じてあげられる子になりな。

 

たくさんの、それぞれの形をしたなにかを、優しさだと、その人自身だと、信じてあげられる人に。

自分の定義した、求めた、用意したジグソーパズルにはまらないもの。

それって、受け取りづらい。受け止めづらい。

けれどもそれを、信じる勇気。

その勇気は、誰かの、そして自分の力になるんだと思う。